7月19日 (火) はれ


昨日の夕方
この時分になると、ひぐらしの声
干した竹を取り込んでいるところで、笠は南木曽の桧笠
変わらぬ風景
ふと思い出した

7-19

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三年前の七月
かぶっているのは歌舞伎で使う饅頭笠
竹で出来ている

小道具屋さんからこれと同じものを制作してほしいと使いこまれた笠が届いた
「この笠を作っていた職人が亡くなり、制作者がもういない。何年かかっても待てるから」

職人さんの御存命中に在庫を購入していたそうで
だからその笠は、ばらして作り方を見てもらっても構わない、在庫は用意しているから待てる

亡くなられた職人さんは、山形県で仕事をしておられたので、山形に行くつもりでいる
使っていた仕事道具がみたいのだそうだ
果たして、残っているのかどうかすら分からず
残っていなければ難儀しながらそれでも何とかするのだろうと思う

先だって、南木曽の桧笠を作ってみえるお婆さんと話し込んでいた
帰る車中で、なるほどそういう事だったのか、あの部分は理解できたとパズルが解けたような笑み

竹を干す外仕事、大きな笠を暑さ避けにかぶっているのかと思ったら、かぶって動いてみて、その按配を知りたいのだそうだった

最近、待つということが大切なんだと思う事が多い
この仕事にしても、納期が半年と切られてしまっていたら、何くれ考えることなく山形まで行こうと思わず、形だけを似た風に作るしかなかっただろうと思う
使う方にも作るほうにも、どちらへも果実が落ちない
まあ、そうだったらその前に請けなかったかもしれないな

手技の繋ぎ方、こうした時間のかかる手合いの段取りを
経験値からご存じの仕事師が小道具屋さんにおられるんだと思った