カテゴリー別アーカイブ: 古物

10月10日(月) 晴れ

今朝は8.7℃、この秋一番の冷え込み

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古物です
手前から柳細工の小箱、真竹の花籠、籐の吊り花入れ

柳細工の小さい箱、10cm角くらいです

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この手の柳細工の箱物は、平たく編んで折って角を作り四角にするのを見かけます。折り紙みたいな感じ
これは折っていなくて糸で編んでいると言いますか
どうやって、こんな風に作るんだろうか
折り曲げないのは小さいからか、物を入れても開け閉めするのも勝手がいいなと思う

植物を使う編組品は、陽にあたるほど色が濃くなり、使うほどに手の持つ油分で艶があがります
柳は、しとっとした黄金色になります

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この箱は、これからですね
艶があがってくる良い素材です

昨夜はピェンロウ鍋を作りました

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煮込むのが好きで、この鍋はひたすら煮込むだけで相性がいいのです

レシピはこちらです→ ”ぷちぐ” 妹尾河童さんによる旨すぎる白菜鍋
干し椎茸がなく三岳の道の駅で買ってあった天然きのこ、イクチとコムソウを入れました

9月29日(木) 雨

古物の話

祝い籠、広島で使われていた籠だと思う

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ずいぶん前に「あるくみるきく」という冊子の、竹と藁編で広島の祝い籠を見た。
この冊子は、民俗学者の宮本常一が所長でいた日本観光文化研究所が昭和42年から昭和63年まで発刊したもので、「日本観光文化研究所(観文研)」は近畿日本ツーリストの社内組織だった。

そこで宮本常一さんから籠や笊を集めて歩いてみんかと言われたのが、工藤員功さんだった。

暮らしの中の竹と藁より
(著-工藤員功 監修-宮本常一・高松圭吉・米山俊直 編-日本観光文化研究所 )
『 —  民具の収集に情熱を傾けられていた先生の頭の中には、急速に失われていく竹細工やわら細工を少しでも多く収集し、保存する必要を痛切に感じておられたからでもあったと思う。民具の減少は竹細工やわら細工に限ったことではなく、織物にしても陶磁器にしても、刃物にしても、木器にしてもすべてがそうであったが、宮本先生はそれらについても竹細工やわら細工同様に考えておられ、それなりの手を打っておられた。私の仲間たちがそれぞれテーマを与えられ、歩いていたのである。そしてたまたま、といっては少々語弊があるが、正直なところやはりたまたま竹細工と藁細工の収集テーマが私にまわってきたのであった。 – 』

工藤さんがうちを訪ねてみえたのが昭和64年、別府の竹訓練校を卒業して東京に住んでいた時だった。自分の中には全くなかった民俗、そこから籠を見てみるという事の芽生えでもあったかと思うが、芽吹くまでに20年くらいかかった。その年月が必要だったというか。

今でこそ、道具として無駄を省かれ作られた籠の潔よさに惚れ惚れし、正反対なような細かな技巧を駆使した装飾系の編組品にも惹かれる。
そのどちらも自分の中では同じで、籠って美しいなと思えるまでに20年を要したのだと思う。
でもまあ民俗と言うには勉強していないのでてんで口はばったく、まだまだ使えるという籠を使ってくれる人へ渡す機関みたいに古物も取り扱っておるのでした。選ぶ視点は作る側からです。

前置き長くなりました。

祝い籠
祝い事に、鯛などの魚を入れる籠

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これの珍しいのは、木の箱におさめるんですね

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木箱は欅
空いたところに酒でもいれたろうかと想像します

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こうした四角の籠を通称で角物と呼びます
縁の造作、くるくると籐で巻いているのは竹の小口が見えないように隠すための技法で「芯巻き」といいます。
この蓋の場合は、祝いごとでもあり意匠かなという気もします。

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こちらは、納まる所に納まりました祝い籠
右の籠は上記祝い籠と同じ職人の仕事じゃないんかなーと、伝わる風合いから勝手にそう思っている
ほんと潔い籠

日本観光文化研究所も時代とともに終わり、工藤さんが全国を歩いて集めた編組品は武蔵野美術大学民族資料室へと移ったそうです。

 

9月13日(月) 

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木曽上松町の七つ鉢

今年の春、町内のお婆ちゃんに見せてもらった
七つ鉢って、曲げ物なんだと思っていた
楢川村の「七つ鉢」は曲げわっぱだし、鉢というと丸いものだとはなから思い込んでいたわけです。

お婆ちゃんと話していて、七つ鉢を見にいらっしゃいとお誘いをいただいて、見たくてしょうがなくて見に伺ったら、なんと丸ではなくて四角の指物の箱でした。

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蓋と身があり、収納する時は別々にスタッキングします。
蓋はお盆にもなるそうでした。

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珍しい物だかどうだか知らないんだけれど、木曽の昔の道具をお店に置いて見てもらってはどうかしら、興味のあるかたいらっしゃるかなと、預かりました。
非売です。

切り溜めという箱があって、大概は切った野菜を入れる箱と聞いていて、それと形状が一緒。
これは切り溜めじゃないんかなと、でも七つ鉢、切り溜めを七つ鉢というんだろうか、七つ鉢が切り溜めになったんだろうかとぐるぐる頭の中で考える。

どっちでも良いか
ただ、木の豊富な産地で出来上がってきた物なのかも

ここでは冠婚葬祭の時に料理を入れて使ったそうで、おにぎりや、木曽の儀式で賄われる「おおびら」という煮物、そして酢の物など

そして七つ鉢は、四隅に布着せ(麻布を漆で貼る)をしてあって、四辺を刻苧(こくそ)というこれまた漆の技で使う材料で埋めてある
酢の物入れても漏れなかったそうだった

大正10年作
木の巾、1cm強
材は檜かさわら、よくわかりません
組み手
漆塗り

格好良いなあと思ってさ

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置き口は鉋をかけて、はすに斜めに昇り、頂点が揃う

職人が腕を見せたかも
すいっと。

さても「木曽の七つ鉢」楢川村が曲げ物、上松町で指し物、ならば南木曽は挽き物なのだろうか。
今度、南木曽は木地師に聞いてみます。

 

8月15日(月)くもり

8月の営業、本日最終日です。
どうぞ、お出かけください。
お待ちしております。

9月のopenは、9/10日(土)- 9/25(日)の15日間です。 

 

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京都の籠をもう一本
古民具です
縁に特徴があって、幅が広い
沢山の野菜など入れて重くなっても持ちやすいんだね
くっと縁に手がかかって力が入る

補強として、四方の角に沿って真竹の太いのが入っています
そのうえで、胴体の編みの部分と縁が外れないように丸籐を回し掛けている

京都の古民具の籠、好きなんだよね
しとっとした湿な風情があって、それが力強さを伴って
好みですけどね、古民具の籠は京都、広島・岡山あたりの中国地方、そして山形が好きです
広島の祝い籠、山形は根曲がり竹のじゃばら縁、庄内の祝いばんどりとか惹かれます

木曽に真手(まて)という言葉があって、実直に手を動かして正直な仕事をするというような意味
あの人の仕事は真手だわという風に使います
いつか言われてみたいものですわ

さて、お盆が来ると、秋が来る
風が変わったと思うと赤とんぼが舞い始める

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すいと秋になりました

 

 

8月13日(土) くもり時々はれ

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京都からはいった籠
口径が52cm、胴張りの部分が60cm、高さ48cm

鵜籠かなあと思うんだけど

最初はロープがついているから行商で天秤棒に前と後ろにかけたかなあと考えた
でもそれにしては籠が大きい

そして上部に皿

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ちなみに岐阜の鵜籠は、六つ目編みで作られている
それで鵜を入れて運ぶ機能が満たされるのだろうから
鵜籠だとしたら、ここまで緻密に編んでいるのはなぜだろう

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縁は蛇腹巻き
真竹の身竹を使っているから、経年使用でささくれだって切れかかったか
補修で針金を巻いてある
それが何か格好良い

ヒゴ幅は1mm
底は網代で編まれている
だから立ちヒゴの本数が多い

例えばヒゴ幅2mmで、立ちヒゴがここまで多くないとすると
雑駁に考えれば、籠1個作るのに、時間は半分ですむ

 
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京都の民具系の籠は、持ち運び勝手の良いように縁幅が広いのが多く、そして補強ががっつりしている
どしっとして好きだ

手練れな職人の出来上がると同時にすぱりと自分が離れて後を引かない潔さ

何に使われたかを通して、こう緻密でかつ頑強に作る職人の意気を覗きたい